読書2008_社会
メディア・バイアス
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
- 作者: 松永和紀
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/04/17
- メディア: 新書
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結論としては、捏造やトンデモ、リスクとベネフィットを無視した報道も多いから自衛しましょう、ってことに尽きるのですが、そのための考え方も丁寧に書かれています。いろいろと知らなかったことが多くて、目からウロコがぼろぼろ落ちました。
いろいろ学ぶところの多い本なのですが、一点だけ食品の含まれる化学物質の量についての話にだけ言及しておきます。最後に目次も載せておきますので、興味を持たれたら是非読んでみてください。
食品に含まれる化学物質(農薬、食品添加物等)について
- 基準値の決め方
- 動物実験によって無毒性量(一生毎日摂取しても一切影響が出ない量)を求める。
- 人が動物よりもその物質に対して感受性が高い可能性を考慮し、1/10をかける。
- 幼児や老人、その他個人差があることを考慮し、さらに1/10をかける。
- 結果的に、無毒性量の1/100が基準値となっている。
基準値の何倍の化学物質が検出された、とかいう報道をみても、即、健康被害云々とヒステリックに騒ぐのはナンセンスです。
何故そのようなことが起こったのかについての究明や、再発防止の取り組みは必要ですが、それがどの程度の問題なのか、というのは常に意識するべきでしょう。
思うのですが、農薬や食品添加物って必要だから使ってるわけですよ。もちろん、不要なものはない方が良い*1に決まっているのですが、十把一絡げにそれらを否定するのは意味がないですよね。食品添加物が無かったら、その分輸送や保存コストがおそろしく嵩んで経済が成り立たないんじゃないかと。農薬だって、使わなかったら多分人口に対して必要な分は生産できないんじゃないかと思います。
*1:その分コストも下がって価格も下がるだろうし。