イタコとホメオパシー

next49さんの記事を読んで、もやもやしたので、ブクマでメモを残しておりました。

tobiaki なんかモヤモヤするけど、まとまらないのでメモ。イタコ研究は問題視する気はない。でも、ホメオパシーでも癒されている人がいる。カウンセリングへの応用に限定するならホメオパシーの研究も許容される? 2010/08/15

まだまとまっていないのですが、書きながら整理してみようと思います。

どこがモヤモヤしたか

ホメオパシーは既に科学的に否定されたもの。こちらは、実際に癒されている人がいて、そのメカニズムを流用したいので分析しますという話なので、全く違うものと理解している。

ごく大雑把に、イタコの研究*1OK、ホメオパシーの研究NGって結論については特に異論はないです。ですが、ホメオパシーが既に科学的に否定されたものだからNG、というところに違和感を感じました。


イタコやホメオパスは、オカルトやニセ科学をツールとして「癒し」を与えます。そして、その「癒し」効果はオカルトやニセ科学、またそれを行うイタコやホメオパスへの信頼に由来するもので、テクニック的な違いはあっても、基本的には同じメカニズムではないかと想像します。
で、オカルトはどちらかというと信仰の問題にも近いので、科学で否定とかには馴染みません。となると、科学云々を根拠にして判断してしまうと、オカルトはOKで、ニセ科学はNGという理屈になってしまいかねないのではないでしょうか?

じゃあなんで私はホメオパシーはNGだと思うのか

「まぎらわしいから」と「実害が出ているから」*2だと考えています。
科学的に云々というのは重要なことですが、イタコとホメオパシーを比較する場合、さほど意味があるようには思えません。率直に言って「大差ない」と感じます。
それよりも、それを認めたときの社会的なメリットとデメリットから語る方が筋が良さそうです。
ホメオパシーに限って言えば、その研究を認めることによって、ホメオパシー側がお墨付きが与えられたかのように振る舞うことは容易に想像がつきます。それによって主流の医療が妨げられるケースも増えるでしょう。でも、イタコによってそういう事態になることは考えにくいと思うのです。

ここまで書いて気付いた

私が、下記の前提を持っているから違和感があったようです。

  • イタコの「癒し」の効果について、ホメオパシーと「基本的には同じメカニズムではないか」と考えている。
  • イタコもホメオパシーも、最終的にカウンセリング手法の研究に帰着する。

つまりは科学的にはどちらも大差がないと考えていて、そのときに片方だけを認める(or認めない)ときの理屈として、科学を持ってくるのは難しいと感じたんですね。
でも、イタコとホメオパシーには根本的な違いがある、もしくはあり得ると考えていれば*3、その区別に科学をもってくることもアリですね。


とりとめないですが、個人的になんとなく腑に落ちましたので、ここまでにしておきます。

追記(2010-08-14 20:00)

治療の話と遺族のケアの話をごっちゃにして考えちゃったのは筋が悪かったな、とちょっと反省。

追記(2010-08-19 00:07)

研究することの可否と、研究を助成するのことの可否もまた別ですね。そこも分けて考えなければ。

*1:この場合の研究は、カウンセリングやケアに応用することを前提とした、通常の人文・社会科学的な研究よりも踏み込んだものを想定しています。

*2:と言いつつ、イタコに実害があるかどうかは知りません。ごめんなさい。

*3:そしてそう考えることは特段おかしくないですね。