件のケータイ小説について

ちまたで話題の携帯小説あたし彼女」について、思ったことをつらつらと。


正直な話、3ページで「ねーよwwwwww」とか思ってギブアップしたのですが、なんか妙に引っかかるものがあったのも事実で。なんだろなー、とか考えて思いついたのが、あれは通常よりも人の想像力というか妄想力に訴えかける類いのものかもしれない、ってことです。
そういう意味では、小説というよりも詩に近いんじゃないかと。


私、以前から、「人は記号で発情する」ってのは正しいと思ってまして。どういうことかというと、人はなんかのキーワードを見つけて、それに自分で勝手にイメージをふくらませて好きだの嫌いだの反応をする、ということで。ひっかかるキーワードをうまく配置しておけば、読者は勝手に妄想して補うわけです。
でまあ、例のヤツはそのあたりの配置とリズムが上手いのかもな、という気がしました。私の場合、今回、全くこれっぽっちも引っかかるキーワードがなかったからアレだったのですが、それなりに萌える設定で書かれてたら、例えば「荒野に置き去りにされた自動販売機の独白」*1とかだったら意外と号泣してたかもな、という気もちょっとします。
…マニアックすぎますかね。や、私、取り残された機械って設定のSFにやたら弱くって…。


あと、とり・みきのラスト・ブックマンに出てくる自販機本ってのをちょっと思い出しましたよ。

ラスト・ブックマン

ラスト・ブックマン

*1:昔、そういう短編小説があったんです。