ニセ科学フォーラム2007に行ってきた

7/7に行われたニセ科学フォーラム2007*1に行ってきました。
話題としては半分くらいは聞いたことのある話でしたが、いろいろと興味深い話も聞けて良かったです。
以下、ちょっと思ったことをつらつらと書いてみます。

善意について

「善意の無駄遣い」という大変重要な指摘がありました。
善かれと思ってやっているのだけれど、実はその行動に意味がないもしくはマイナスであることは充分あり得ます。
また、自分が善意でやっていると考えてしまうと、その行動に無反省になってしまいがちです。
しかも善意の行動を批判することはとても難しい。


善意はとても重要なものですが、行動を「善意」で理由付けすることは極力避けた方が「味が良い*2」と思います。*3

メーカについて

松下電器*4の方がいらっしゃっていて、質疑応答の場で「マイナスイオンドライヤーを擁護する気はないが、メーカとしては売れるのであれば作るという側面もある。」ということを仰っていました。
まあ確かに、違法でもなく性能も良い。しかも売れている。(ただ一つの欠点として、マイナスイオンの効果だけがウソッパチ。)そういう製品を作らない、その後継も企画しない、というのは商売としては難しいかもしれません。
ここは皮肉抜きでそう思います。*5


だったらここは消費者側が行動で示すしかありません。
私はナショナルのマイナスイオンドライヤーだけではなく、可能な限りナショナル製品全般の購入を避けています。*6また、売り場でマイナスイオン製品を見つけたら、その製品だけではなくそのメーカの製品自体を購入候補から外しています。

フォーラムとかニセ科学批判のあり方とかについて

フォーラムには200人以上が参加して、とっても盛会で良かったと思いますが。
こういうものに参加する人は比較的意識の高い人達だろうと思うのです。
だからニセ科学批判の場としては、ホームとアウェーで言えばホームで、いわば内輪の会合になってしまいはしないだろうか、ということがちょっと気になりました。


もちろん、主催者の方々がそのことに無自覚であることはほとんどあり得ないと思っています。
でも、内輪だけではなく、さほど意識が高くない普通の人達に伝えるための有効な手が打てるかどうかは分かりません。
はじめの方で、フォーラムのことを「口コミ」で周りの人達にも伝えてください、という趣旨のことを主催の左巻さんが仰っていました。
実はそれが最も有効な手なのかもしれません。


ニセ科学との戦いでは、アウェーに攻め込むよりも、ホームとなる場を広げることの方が重要だと思います。
つまり、私達普通の人達のレベルを底上げするのです。
それ以外に根本的な対応はあり得ないのだろうな、と。

*1:こちらもどうぞ。

*2:囲碁でよく使う表現。しっかりしていて後腐れがないこと。後腐れがないゆえに選択の自由度があがる。

*3:善意で行動するなと言っているのではないですよ。

*4:マイナスイオンドライヤーを作っているメーカ。最近はナノイーイオンドライヤーなるものに移行しつつあるらしい。

*5:もちろんそれで免罪されるわけではありませんが。

*6:ホントはパナソニックも、と言いたいところだったのですが、こないだうっかり気付かずにデジカメを買ってしまいましたw でも、気付いていたら避けていたでしょう。